
売りに出ている現況は?
初めての家探しで、よくお客様から聞かれるのが「このあたりの坪単価はいくらですか?」という質問です。
単純に不動産屋さんに坪単価を聞いて、安いか高いか?を掴みたいという感じですが、あまり坪単価だけで判断することはお勧めしません。理由は古家付きの売り土地と開発後の完成宅地だけ見ても金額は違います。
古家付きの売り土地は、新たに新築を建てる場合は現況の古家を解体しなければいけません。当然「更地渡し」の条件が付いていなければ解体費用は買主側の負担になります。比べればその分当然価格は安いです。反対に近隣折衝事も方付き、ライフラインの引き込みも完了している完成宅地はすぐにでも建築に取り掛かれますがそれなりの価格です。
まず土地に関して「坪単価はいくらですか?」という質問です。この質問に関しましては率直に売価をお答えするのですが、まず私が担当している新築分譲地に当てはめると「高い」という印象を持たれる方が多いです。
なぜかと言いますとほとんどのお客様は、人から聞いた「ザクッ」とした価格が基準となっており、既存の建物がある場合はその建物の解体撤去工事~開発・造成工事~工事中の振動や騒音に関する近隣対策なども必要な場合もあり、その途中の過程が見えないからです。
大規模分譲地の3割程度の面積は道路に充当される
区画数の多い中型~大型分譲地になると、その土地の以前の状況がどうだってかということも坪単価には大きく関係します。
例えば以前に大型建築物(鉄筋コンクリート造10階建て等)が建っていた土地から既存の建物を解体し、開発工事をして道路を通します。
ここで注意して欲しいのは、中型~大型分譲地の開発対象の土地の約3割~4割は分譲地の中に通す道路になるという点です。その分開発後の一宅地あたりの坪単価がここでも上がります。
そして一宅地ごとに分筆(ひとつの土地を複数個に分ける事)して、上下水道や都市ガスを引き込み、境界を確定し、宅地として販売をします。
この時点で「解体工事費」「開発工事費」やその他、道路や共用部分に使用する宅地以外の土地の割合なども関係するので、同じエリアなどで「古家付き売り土地」として売られている土地の坪単価とは全く変わる事がお分かりいただけると思います。
総合計で判断すべき
例えば不動産業者が土地を仕入れる時は「売価」からの逆算で「売れるか?」「売れないか?」ということが基準になるので、参考にするのは「路線価」くらいです。価格的に安いと感じる売り土地があっても、土地の引き渡しを受けいざ建築に入る段階になって境界線や埋設管、私道のトラブルなどで余計な出費と時間を要する事などよく聞く話です。ですから一般の方がマイホームの購入を考える場合、あまり土地の坪単価を気にするのではなく、その物件を購入するのに必要な諸費用も含めた総合計金額に対して立地や環境、仕様設備や建物の性能など全てを吟味して自分たちには高いのか安いかを判断することが一番大事になります。