誰にいくら貸してくれるの?
人生の中で何度と無い高額な買い物であるマイホームの購入には現金購入の方は別として、住宅ローンの利用は欠かせません。ではそのお家の購入に必要な金額を誰にでも銀行などの金融機関は融資してくれるのでしょうか?
答えはNoです。年齢や自己資金、雇用形態、勤務形態や家族構成、勤続年数や年収、などからの借入限度額を算出し、問題なく審査を通過すれば融資してくれます。では、どのような審査基準になっているのでしょうか。
■申し込み時の年齢
ほぼすべての銀行は満20歳以上から65歳~70歳までと銀行によって若干異なります。尚、完済時年齢は80歳の金融機関がほとんどです。
■返済比率と借入可能額
マイホームを購入する上で気に入った物件の価格と、購入に必要な諸費用を合計し計画している頭金(自己資金)を差し引いた残りの金額がローン金額となります。そのうえで自分の税込み年収から借入可能額を算出します。
この借入可能額は金融機関の採用する審査金利と返済比率のパーセントによって変わります。そこで金融機関が審査で重要視する項目のひとつに「返済比率」があります。返済比率とは年収の中から住宅ローンの占める割合のことです。
住宅ローンは一般的に年収の7~8倍が借り入れできる限度額と言われますが、税込年収が400万円以上か以下かで大きく変わります。400万以上の年収のある方は年収からの返済比率が35%~40%未満、400万円未満の方は20%~30パーセントまでと決められています。
例えば、税込年収が300万円なら返済比率は30%までなので年間の支払額が90万円。月々75,000円が支払いの上限になります。500万円の年収の場合は月々145,800円が支払いの上限です。
僕の経験上では年収の20~25%くらいの返済比率でマイホームを購入している方がほとんどですね。
いくら借りればいくらの月々返済?
借入限度額:例(銀行):審査金利3.5% 支払金利0.675%(元利均等)・返済期間35年・返済比率30%~35%
■勤続年数
住宅ローンを申し込むにあたり、審査項目の中に申込者の「勤続年数」があります。金融機関は住宅ローンの融資先の契約者が滞りなく長期にわたって返済をしてくれるかを見るための基準として勤続年数を確認します。
同じ職場での勤続年数が短く転職したばかりの方は、先の昇給の見込みも読むことが出来ず、ともすれば以前の年収よりダウンしていることも考えられます。また、ひとつの職場での勤続年数が短いと、今の職場も短期で退職する可能性もある人と捉えられます。そうなると、融資した住宅ローンの資金回収が難しくなるので審査に通らない可能性が上がります。
■雇用形態
勤続年数に続き、住宅ローンの申込者の仕事の「雇用形態」があります。契約社員でも申し込みを受けてもらえる金融機関もありますが、基本的には「正社員」が審査には通りやすいです。
正社員などの正規雇用でなくてもしっかりと仕事をしてお金を稼いでいる人もいます。でも住宅ローンの審査には通りにくい場合が多いです。
理由は正規雇用の人に比べて仕事や収入が安定しない可能性があるからです。例えば業績不振で会社がコストダウンのために人員削減を考えた場合、一番先に考えられるのがアルバイトや派遣社員のリストラです。
また会社によっては期間雇用社員や契約社員など初めから勤続年数の上限を設けたうえで雇用している場合もあります。
その場合、契約更新されなかった場合を考えると収入は減る可能性が高いので、銀行としてはできるだけ安定した収入を得られる「正社員」を雇用形態の条件にしている場合が多いのです。
■家族構成
住宅ローンの審査で単身者は通りにくいのでは、と考える人もいますが性別に限らず単身者だから通りにくいという事はありません。ただ、一戸建てになると妻帯者に比べてマイホームを購入する必要性は低くみられる場合があります。
そこは問題ではないのですが、僕の経験ではローンの否決内容は想定ですが、あるお客様の場合、借入希望額が年収からの返済比率ギリギリで、尚且つ2歳から小学生までの子供さんが4人いました。
この場合、今から子供が大きくなるにつれて何かとお金が入用になります。その時返済比率ギリギリの住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローンの返済が危うくなる可能性が考えられるという理由で住宅ローンは通りませんでした。
いずれにしても、住宅ローンの審査では年収や勤続年数、雇用形態、自己資金の有無のほうが住宅ローンを貸す側の銀行からしても大きな判断基準になることは間違いないですね。